死ぬまでにしたい100のこと

52歳が、これからの生き方を模索する物語

「JOKER」の救いようのない世界観に後味が悪い

話題が拡散して、もう「日本酒」といったカテゴリーも怪しくなってきましたこのブログ(笑)。今回は話題の映画「JOKER」の感想です。

 

あらすじは

どんな時でも笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸に、大都会で大道芸人として生きるアーサー。しかし、コメディアンとして世界に笑顔を届けようとしていたはずのひとりの男は、やがて狂気あふれる悪へと変貌していく 

 

この作品は、クリストファー・ノーラン監督の大傑作「ダークナイト」で大暴れしたジョーカーが生まれるまでの前日譚となります。この作品に描かれる完璧なまでの薄気味悪さ、邪悪さ、非情さ、タフさを備えたジョーカーの姿に圧倒されましたねー。陳腐ですがまさに「悪の権化」そのもの。

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子供の頃母親の恋人に暴行を受けた脳の障害で、極度のストレスに晒されると突然大声で笑い出してしまう奇病に取り憑かれたアーサー。コメディアンとして人を喜ばせたいという純粋な心が、度重なる世間からの仕打ちで邪悪な悪のカリスマへと変化していく過程が描かれます。

 

自身の薬と母親の介護で生活は極貧。ストリートチルドレンにはいじめられ、職場の仲間には裏切られ、オーディションは奇病のせいでうまく行かず、その他もろもろ。。。自分は恵まれているのでこんな苦しみを味わった事がないのですが、ここまでヒドイ事が起きれば、心が歪むのも仕方がないなーと素直に思わされます。そんなアーサー、ある出来事と事実の判明(これは本当にキツイ!)から、かろうじて保っていた正気が吹っ飛び、一気に悪の道を突き進んでいきます。この分岐点からのドライブ感が、この映画の真骨頂です。

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アーサーと同じような社会の最底辺の人々を主人公としたアメリカ映画として、「タクシードライバー」や「キングオブコメディ」などが取り上げられますが、自分は第90回のアカデミー賞を取った「シェイプ・オブ・ウォーター」との対比が印象に残りました。「シェイプ」に感じられた底辺の人達にも掴む事ができる「希望」というものが、「JOKER」には全く感じられず、救いようのない無力感のみが押し寄せてきます。。。

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中国に弾圧されるチベットや新疆ウイグル。未だ存在するアメリカの人種差別。日本だって満たされた生活ができない人間が秋葉原の交差点に突っ込み、人を刺しまくったり。世界のあちこちで憎悪が膨らみ続けています。ジョーカーのような悪のインフルエンサーが登場したら、その憎悪が一気に爆発するかもしれない。。。。

 

映画が終わっても、救いようのない後味の悪さを感じずにはいられませんでした。

 

 

 

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