死ぬまでにしたい100のこと

52歳が、これからの生き方を模索する物語

【番外編】大衆酒場の名店 宇ち多@京成立石

行列の絶えないその店に、初めて入る時はちょっとした緊張を強いられる。

入口のガラス越しに見える、仏頂面した
スキンヘッドの店員。隣のおやぢと肩触れ合うくらいの狭い店内。

 

やっと順番になり中へ。

食べログで予習した通り、まずは煮込みと梅割りをオーダーする。

スキンヘッドが、一升瓶の細いところを鷲掴みしコップへ直接焼酎を注いだ。そこに別の瓶から、梅エキスを一さじ分。薄ーい薄ーい琥珀色の液体ができあがる。

煮込みはちょっと油と塩分の強い、山利喜@森下のような黒い汁。

コリコリ、フワフワ、ニュルニュル。

歯触りからして、いろんな部位が入っているようだ。

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梅割りの強いアルコールで油と塩分を胃袋に流し込みながら、ナマのシロとテッポウを、お酢でオーダー。

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「ナマ」といっても、ボイルされた串刺しに酢醤油がかかった状態で運ばれてきた。全く獣の臭みがなく、サッパリと頂ける。このナマを食べてしまうと、焼きに余計な細工はいらないだろう。


次は隣に座ったおやぢが勧めてくれたもので見繕う。運ばれてくる麗しいルックス。粒度も大きく、歯ごたえもよい。もちろん旨い。

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箸休めのお新香も歯ごたえがシャキシャキしてとても美味しい。

ここまで全て、1杯1皿200円。

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気が付けば、肩寄せ合う狭い店内にも、心地よさを感じる。
隣の見知らぬおやぢとも会話をはじめていた。店員も、案外愛嬌があるもんだ。

 

3杯めの梅割りを頼むと、強面から「これで最後ね」の一言。
確かに。ストレートの焼酎をこれ以上飲んだら、酩酊して他の客に迷惑がかかる。

 

京成立石という土地からして、昔は肉体労働の血気盛んな男たちが集う場だったの
のかもしれない。強い酒で一日の疲れを癒し、旨いモツで栄養を補給し、メートルが上がらないうちに家に帰す。次の日にも足が運べるよう、会計は手ごろな金額にて。

 

名店とは、真摯に客と向きあって作り上げてきたノウハウの結晶だと気づかされるひと時であった。

 

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